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EUROPE HOUSE フランス職人館

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工房と歴史

18世紀初頭
La Maison de Pastel:Dr.アンリ・ロシェ
Dr.アンリ・ロシェ

18世紀初頭、カンタン・ド・ラトゥールやシャルダン、あるいはロザルバ・カリエーラといった画家たちの描くパステル画が人々の評価を受け、パリで作られるパステルがヨーロッパで知られるようになりました。中でも最高の品質と評されたのが、マクル工房の老職人が作るパステルでした。

アンリ・ロシェは化学者であり、生物学者であり、当時のパリ薬学専門学校の重鎮でもありました。ある日、恩師パストゥールからこのパステル職人を紹介され、二人はたちまち意気投合しました。細菌学者として有名なパストゥールも好んでパステル画を描いたそうですから、3人のまわりにホイッスラーやルグロ、シェレといった画家たちが集まるようになったのも、ごく自然のことと思われます。

ドガの登場

画家たちの中にドガがいました。ドガは、“光に負けない強い色調をもち”、“固定剤の助けを借りずに画布や画用紙に定着し”、“それぞれ異なる明るさや色彩を持ちながら互いに調和する”、“色数の豊富なパステル”を求めていました。ドガの要求は示唆に富み、アンリ・ロシェの好奇心を刺激しました。アンリ・ロシェは画家たちの求めるパステルの形を知りました。そして画家たちの要求をことごとく満たすパステルを作りたいと願いました。

1870年

工房の名前も新たにラ・メゾン・デュ・パステルと定めました。

1887年

アンリ・ロシェ500色のパステルを完成。

1912年

息子のDr.アンリ・ロシェが事業に加わり、工房をグルニエ・サン・ラザール通りから現在のランビュトー通り20番地に移しました。今では画家たちがパステルを求めて訪れる小さな店舗があるだけですが、ここには当時ラ・メゾン・デュ・パステル社の大きな製造工場と研究所があったそうです。

1925年

1650色のパステルを完成。

1937年

パリ万国博覧会でアンリ・ロシェのパステルが金賞を受賞。1650色のコレクションはポンピドー・センターの収蔵品として、今も大切に保管されています。

1939年
~
1945年

第一次世界大戦はもとより、第二次世界大戦はラ・メゾン・デュ・パステル社に大きな被害を与えました。その惨状は目を覆うばかりで、ラ・メゾン・デュ・パステル社の再建はほぼ絶望的と思われました。Dr. ロシェがパリを離れて医師として生計をたて、パリに残った夫人と3人の娘たちが、被災をまぬかれた僅かの資料を頼りに工房を再開しました。
しかし、最盛期には1800色あったパステルの数を極力減らし、特別の顧客のみを対象とする閉鎖的な経営方針が取られるようになりました。パステル製造の技術も門外不出となりました。

2000年
5月

家族会議を経てイザベル・ロシェがラ・メゾン・デュ・パステル社の後継者に選ばれました。5世代3世紀、一族に引き継がれたパステル製造の技術は、フランスの多くの老舗工房と同様、若く優秀な後継者を必要としていたのです。イザベル・ロシェはフランス国立土木学校を卒業したエリートで、当時ヨーロッパ有数の石油化学企業に勤め、エンジニアとして将来を嘱望されていましたから、一族の申し出は彼女に難しい決断を迫るものでした。

イザベルは後日テレビのインタビューの中で、彼女に工房を継ぐ決心をさせたのは名誉心や義務感ではなく、目の当たりにしたパステルの息をのむ美しさであった、と語っています。

イザベルは今、許される時間の全てをパステルの研究と製造に当てています。伝統を守りつつ、できる限り開かれた世界にしたいと願うイザベルは、限りなく美しい世界の創造を目指して挑戦を続けます。

2008年秋

日仏交流150周年を記念してラ・メゾン・デュ・パステル社のパステルが日本で初めて紹介されました。日本橋三越本店の「趣味雑貨倶楽部」で販売され、人気を博しました。

2008年
10月
~
2009年
2月

パリのオルセー美術館で、ドガやルドン、モネ、マネ、ルノワール、ヴュイヤールなど美術館所蔵のパステル画展が開催されました。会場では、印象派の巨匠たちの作品に加えて1650色のロシェのパステルが特別展示され、発色の美しさと伝統的な製法を今に伝える工房の歴史が改めて人々の関心を呼びました。

20世紀初頭のラ・メゾン・ドゥ・パステル(La Maison de Pastel)600色木箱入り
20世紀初頭に製作された600色のパステル
パリ オルセー美術館
パリ、オルセー美術館

パリ オルセー美術館
ドガのアトリエで見つかったロシェのパステル箱
パリ オルセー美術館
オルセー美術館内のパステルの陳列

2010年
6月

2010年6月1日(火)20時〜21:30、6月10日(火)12:30〜14時、プレミアム8「巨匠たちの肖像」(NHK BSハイビジョン)でドガの世界が紹介されました。美しく、時に残酷なドガの世界。その不思議に迫るすばらしい番組でした。ドガの愛したパステルも登場。古い工房で、今も手作業で作られるロシェのパステル。静謐な工房の中で、豊かな色彩が生まれる瞬間を目の当たりにする、そんな感動を味わいました。

2010年
9月18日
~
12月31日

横浜美術館に於いて待望の『ドガ展』が開催されました。オルセー美術館所蔵の「エトワール」や「バレエの授業」はじめ世界中から集められたパステル画や油彩画、デッサン、写真、彫刻など選りすぐりの作品120点が展示されました。
ラ・メゾン・デュ・パステル社は『ドガ展』を記念して、名画「エトワール」に因んだ3本のパステルを特別製作しました。期間中、横浜美術館に於いて販売されました。

2012年

2012年春ハーフサイズのプチロシェが誕生。「デビュー」や「風景画」に加えてドガやルドンへのオマージュをこめた「アーティストシリーズ」も作られました。

2013年

新しい色が加わり、パステルは現在714色を数えます。最盛期の1800色には及びませんが、ラ・メゾン・デュ・パステル社が300周年を迎える2020年には1000色のパステルを完成させる予定です。

2013年
4月

新宿伊勢丹でフランスフェア開催。会場では714色のロシェのパステル全てが展示されました。画家・共立女子大学文芸学部の須田基揮教授をお招きしてワークショップが開催され、20人の方達が参加なさいました。ルドンの「縦長の花瓶に活けた野の花々」を模写した皆様の作品は、どれも本当に見事でした。

2013年
12月1日
~
2014年
4月6日

箱根仙石原ポーラ美術館に於いて「ルノワール礼讃展」と「いろどる線とかたどる色展」が同時開催中されました。「いろどる線とかたどる色展」さまざまな素材を通して絵画を見る、有意義で楽しい企画展、素材の一つとして展示されたラ・メゾン・デュ・パステル社の714色のパステルが沢山の方達の関心を集めました。


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